介護離職する女性は多い!介護と仕事の両立方法とは?

生活

高齢化が進む現在、介護は誰でも直面する可能性のある問題です。

特に、女性は両親や祖父母の介護のために離職を強いられる人も多く、

再就職に苦労したり、離職後に

介護うつ」と呼ばれる状態になったりする人も珍しくありません。

 

介護と仕事は両立できるのでしょうか。

また、介護による負担を軽減する方法はあるのでしょうか。

ここでは、女性の仕事と介護に関する問題の対処法について解説します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性が家族の介護の必要に迫られたら仕事はどうする?

両親や祖父母が病気やケガをすると、介護の必要が生じます。

介護と仕事は両立できるのでしょうか。

 

■年間の介護離職者数は約10万人

厚生労働省の統計によると、

介護のために離職をする人の数は毎年約10万人です。

 

介護離職者数が多い年代は40代か後半から50代ですが、

病気やケガはいつ起こるかわからないので、

20代で介護離職することになる女性もいます。

 

■介護離職者数の7割以上が女性

介護離職する人のうち、女性の割合は約7~8割にも上ります。

このことから、両親や祖父母の介護の犠牲となるのは多くの場合、

女性だと考えて良いでしょう。

 

■介護離職する理由

両親や祖父母が要介護となった場合も、

初めのうちは「仕事と両立したい」と考える人が多いいでしょう。

仕事と両立を試みていた人が離職してしまう原因は何なのでしょうか。

 

・自分以外に介護できる人がいない

兄弟が減少し、未婚化が進んでいる現在は

家族の介護を担える人の数が多くありません。

 

兄弟や配偶者がいなかったり、

何等かの事情で家族の協力を望めなかったりする場合は、

仕事を辞めて介護に専念しようと考えます。

 

特に、遠方に住む両親や祖父母に介護の必要性が出た場合、

離職を検討する人が多いでしょう。

高齢者だけで生活させるのが不安という理由で、

今の仕事を辞めて両親のもとに引っ越す人も珍しくありません。

 

・体力的に限界

仕事と介護の両立で疲労がたまると、

体力的に限界を感じて離職する人もいます。

介護中は力を使うだけでなく、睡眠時間も十分に確保できないので、

介護疲れで仕事に支障をきたし、離職に繋がってしまうこともあります。

 

・ストレス

日中は仕事をして帰宅後から朝までは介護をしていると、

ストレスを発散できる時間がありません。

仕事にも介護にもイライラしたり、不安になったりすると、

仕事を辞めて介護に専念したいと思う人が多いです。

 

・会社への迷惑

介護をしていると、要介護者の病院に付き添ったり、

病状が悪化したときに看病したりしなければなりません。

 

突然、会社を休むこともあるでしょう。

介護が原因で上司や同僚に迷惑をかけると、

申し訳なく感じて仕事を辞めてしまう人もいます。

 

女性が介護離職するデメリット

「仕事を辞めれば体力的にも精神的にも楽になるはず」などと

家族の介護のために仕事を辞める女性は多いですが、

介護離職にはデメリットもあります。

 

介護離職で後悔しないために

知っておきたいデメリットを確認していきましょう。

 

■経済的な不安

介護のために仕事を辞めると、もちろん収入はなくなります。

介護サービスの利用にはお金がかかるので、

仕事を辞めると自治体や民間のサービスを受けられず、

自分にも被介護者にも負担がかかってしまうでしょう。

 

また、収入がないと、生活面でも不安が募ります。

「自分の将来はどうしよう」「家族と幸せに暮らせるの?」などと

心配になって介護に集中できない人も少なくありません。

 

■肉体的な負担

介護では、食事から排泄、入浴まで

さまざまなサポートをしなければなりません。

 

介護のプロではない女性が被介護者をサポートすると、

脚や腰に負担がかかってしまいます。

 

また、被介護者の病状がすぐれない場合や

認知症の人を介護している場合は

24時間目を離せないので、体を休める暇がなく、

疲労が蓄積します。

 

■精神的な負担

仕事を辞めて24時間介護をしていると、

ストレスも溜まります。

 

介護一色の生活になれば、

社会や他人との繋がりも薄れるので、

一人で悩みを抱え込んでしまい、

体調を崩す人も少なくありません。

 

介護は子育てと違って終わりがなく、

認知症などになった場合は

「両親や祖父母はどうしてこんなに変わってしまったの?」などと

葛藤するので、介護うつになる人も多いです。

 

介護うつと呼ばれる状態になると、

睡眠障害や食欲不振などの症状が現れ、

不安や焦燥感に駆られたり、頭痛や下痢、

めまいなどの身体的な症状が現れたりします。

 

症状を放置してしまうと、

他の病気に繋がったり、

生きているのが嫌になったりすることもあるでしょう。

 

■キャリアが分断される

介護のために離職したり、休職したりすると、

これまで仕事で積み上げてきたキャリアが分断されます。

 

仕事内容や職場によっては、

復職後にそれまでのキャリアを

全く生かせなくなってしまう可能性も否定できません。

 

■再就職が難しい

介護がひと段落して再就職しようと思っても、

希望通りに就職先が見つからないのが現実です。

 

介護離職者のうち、再就職を希望する人は約半数ですが、

このうち正社員で再就職できるのは半数程度です。

 

つまり、介護離職した人のうち、

4人に1人程度しか正社員で再就職できず、

思い描くライフプランを送れない人も少なくありません。

 

再就職できても仕事内容や収入が

希望通りだとは限らないので、

現在の会社や仕事に満足できているなら、

介護のために仕事を辞めるのは良いとは言えないでしょう。

 

女性が介護と仕事を両立するためにしておきたいこと

仕事を辞めて介護に専念すると経済的に余裕がなくなり、

肉体的にも精神的にも辛くなります。

 

しかし、親や祖父母が病気やケガをした場合、

女性が介護をする必要に迫られることは多いです。

 

介護と仕事を両立するためには、

どんなことが必要なのでしょうか。

 

■行政の介護制度について勉強する

高齢化が進んでいる現在は、

行政がさまざまな介護サービスを提供しています。

 

特に、40歳以上の人が利用できる介護保険制度は

介護サービスの利用に欠かせないので、

詳しく勉強しておきましょう。

 

制度を知っていると、

希望するサービスをスムーズに受けられるだけでなく、

精神面での安心感も得られます。

 

■会社の福利厚生を知る

介護離職をする人のうち約5割は

介護の必要に迫られてから1年以内に離職していて、

約13%は介護が必要になってからすぐに仕事を辞めています。

 

もう少し仕事を続けられる余裕があっても

離職を選んでしまっている人もいると考えられるので、

介護と両立をしたい人は早々に諦めず、

会社の福利厚生を確認しましょう。

 

現在は、国が仕事と介護の両立を促進するために働いていて、

コアな人材に辞められたくない会社側も

さまざまな制度を整えています。

 

会社の福利厚生を上手に使えば、

経済面や肉体面、精神面での負担を和らげて

無理なく仕事を続けられるかもしれません。

 

<介護に関する制度の例>

・介護休業

対象家族一人に対し年間93日までの休みを

3回に分けて取得できます。

 

・介護休暇

対象家族一人に対し年間5日まで、

複数の人の介護をする場合は年間10日まで単発で休みを取れます。

 

・就業時間に関する制度

家族の介護をしている場合は、

時短勤務やフレックス通勤、

時差出勤などが認められることがあります。

 

・お金に関する制度

介護サービスにかかる費用の助成を受けられたり、

介護休業給付金が支給されたりします。

 

・その他の制度

企業によっては介護サービスの紹介や

介護用品購入時の給付金支給などの

福利厚生が導入されていることもあります。

 

介護に関する制度の利用方法や

福利厚生などは会社によって違います。

 

必要に迫られた時に焦らないように、

あらかじめ働いている企業の制度や福利厚生を確認し、

上手く利用して仕事と介護の両立に役立てましょう。

 

女性が介護をしながら仕事をするための方法

経済面や肉体的・精神的な負担の増加を考えると、

現在の仕事に満足できている場合は

介護中も仕事を辞めないのがベストです。

 

介護離職者数の割合が高い女性が

介護をしながら働きたい場合は、

次のような方法を実践してみると良いでしょう。

 

■役所や地域包括支援センターに相談する

両親や祖父母の介護が必要になったら、

まずは区市町村の役所や介護に関する相談窓口である

地域包括支援センターに相談してみましょう。

 

介護のプロが介護申請や

介護保険サービスに関して役立つ情報を提供してくれます。

 

■介護サービスを受ける

要介護認定を受けると、ケアマネージャーがつきます。

仕事と介護を両立したい人は

ケアマネージャーに希望を伝え、

しっかりと相談しながら利用する介護サービスを決めましょう。

 

<利用できる介護サービスの例>

・訪問介護

・訪問看護

・訪問リハビリテーション

・デイサービス

・ショートステイ

・老人ホームや介護施設への入居

など

 

これらの介護サービスを上手に使うと、

仕事と介護を両立しようとしている

女性の負担が減るだけでなく、

被介護者のストレス発散や健康維持にも役立ちます。

 

■会社に相談する

「仕事とプライベートは分けたい」と

考えている人もいるかもしれませんが、

両親や祖父母の介護が必要になったら、

信頼できる上司や同僚に相談してみましょう。

 

介護に関する制度や福利厚生に関する情報を得られます。

 

また、一緒に働いている人に

介護中であることを打ち明けておくと、

休みを取ったり、時短勤務したりしやすくなります。

 

家族を介護する可能性はほとんどの人にあるので、

病院に付き添わなければならない時や

被介護者が体調を崩した時も協力してくれる可能性が高いでしょう。

 

■家族と良好な関係を築く

スムーズに介護をするためにも、

家族とはできるだけ良好な関係を築いておきましょう。

 

介護に必要な費用の捻出方法や

生命保険・健康保険の加入の有無などについても

確認しておくと、経済面での不安も和らぎます。

 

また、兄弟や配偶者がいる場合は、

介護のサポートもお願いしましょう。

 

自分が介護の中心になる場合も、

一人で背負い込まない方が良いです。

 

■親族や知人と助け合う

介護と仕事を両立したい女性は

親族や知人にも相談しておきましょう。

 

介護中であることを告げると、

サポートを受けられたり、

他に介護をしている人から

情報をもらえたりすることがあります。

 

■一人で悩みを抱え込まない

仕事と介護の両立で疲労やストレスが溜まっても

一人で悩みを抱え込むのは避けましょう。

 

介護うつのような状態になると、

介護だけでなく仕事にも悪影響が及びます。

 

疲れがたまってきたら、

介護サービスを利用して気分転換したり、

他の家族に介護を任せてゆっくりと休んだりすると、

リフレッシュできるでしょう。

 

 

日本で介護のために離職する人は年間約10万人。

このうち、女性の割合は7割を超えています。

 

しかし、仕事を辞めて介護に専念すると、

経済面で苦しく、肉体的にも精神的にも辛いです。

 

今の会社に満足できている人は行政や会社、

周りの人からのサポートを受けながら、

介護と仕事の両立を目指しましょう。